「ちゃおっす。お前がツナのフィアンセのか?」
「(フィ、フィアンセ…??)……い、一応彼女です。」




V




今日は沢田君が用事があるみたいで帰りが一人。出会うまでは一人で帰ってたのに、"寂しい"なんて、全然思わなかったのになあ。相当綱吉君に依存してるよね、こんなのでいいのかな…? そう思っているとふと声をかけられた。見るとそれはスーツを着た赤ちゃんだった。 知り合いにこんな子はいない。沢田君のこと知っているみたいだから沢田君の弟とかかな?
「違ぇぞ。ツナの家庭教師だ。」
「か、家庭教師…?」
「そうだぞ、リボーンだ。」
「ど、どうも…。」
あれ、私さっきの声に出したっけ?びっくりすることがたくさんあって分かんなくなっちゃった。 家庭教師…この子が、沢田君の?……あ、きっとこの子のお兄さんか誰かが沢田君の家庭教師ってことなのかな? 沢田君勉強苦手みたいだし…。家庭教師がいてもおかしくないのかも。それによくいるよね、身近な大人の真似をする子供って。 私もよくお母さんの真似してたし。そう思うとなんだか妙に納得できた。子供ってそう言う所がかわいいよね。
「えっと、沢田君に用事?今日は一緒じゃないんだけど…」
「おい、リボーン!!!!!」



「あ、沢田君。」
沢田君は息を切らしながらリボーン君を睨みつけた。
「呼び出しといてなんでこんな所にいるんだよ!!…っあ、ごめんねさん。そいつへんなこと言わなかった?」
家庭教師だと言われました。
だけど小さな子の戯言を言いつけることはしたくないので私は首を横に振った。
「別にお前に用事があったわけじゃないぞ。に会いに来ただけだ。」
「え、私…?」
少し怒っている沢田君を前にしてもリボーン君は対して焦った様子もなく淡々と告げる。それと逆に沢田君は焦ったように私の腕を掴んだ。 腕を掴まれることは初めてじゃないから驚くことじゃない。だけど今日はその力が強くて、もしかしたら沢田君は私が思っている以上に焦っているのかもしれないと思った。
「別にどうでもいいだろ、それにお前には関係ない!!帰ろう、さん。」
「え、でも…」
せっかく会いに来てくれたのに、いいのかな…?
だけど沢田君はぐんぐん私の手を引っ張って進むからその言葉は続かなかった。












昨日はあのまま沢田君が家まで送ってくれて、お願いだからもうリボーンと合わないでねと苦笑いで言われた。笑っていたけど、目は真剣だった。
仲悪いのかな?リボーン君を見た限りじゃそうは思えなかったけど。
そう思いながら登校する。
朝はいつも一人。沢田君は一緒に行こうと言ってくれたけどそれだと獄寺君たちにも迷惑がかかってしまうから遠慮しておいた。
帰りに一緒に帰れないということだけでもきっと獄寺君は不満に思ってるだろうし。朝まで取る訳にはいかなかったから。




「ちゃおっす。」
…ごめんね沢田君。昨日の今日で会っちゃった。
「えと…おはよう?どうしたのこんな朝早くに。」
赤ちゃんって朝は遅いんだと思ってたけど。でも早起きは体にもいいから早く起きるのかな?どうなんだろう…。
「ボディガードだぞ。ダメツナの代わりにな。」
「え?え…あ、ありがとう。」
あ、新しい遊びかな…?
ボディガードといってもリボーン君の歩幅は小さいからこのままだと私の遅刻が決まってしまう(ふ、風紀委員に怒られる…!!)
私はリボーン君を抱き上げて歩き始めた。ボディガードっぽくないかもしれないけどリボーン君は文句を言わずに大人しく抱かれていた。
と、思いきや。
はツナのこと好きか?」
唐突な質問にもう少しでこけるところだった。胸からあぶねーじゃねぇかという声がする。
「ご、ごめんね。びっくりしちゃって…。」
「それで、好きなのか?」
多くなつぶらな瞳がこちらに問いかける。どうして聞いてくるかなんてわからない。だけどここでうそをつく必要もないから。
「…好きだよ。大好き。」
言ってちょっと恥ずかしくなった。そう言えば本人にもちゃんと言ってなかったっけ?
出会いは突然そして告白も突然。だけど、私を救ってくれたのは沢田君だから。困って動けずにいた私に声をかけて助け出してくれたのは沢田君だった。
それはある意味感謝の気持ちなのかもしれない。だけどその気持ちはいつの間にか恋心へと変わって言ったんだ。
私の答えを聞いてリボーン君は満足そうに微笑んだ。
「…そうか。なら――――――」












「おはよう。」
「わっ、さん?!…と、リボーン!!!!」
さんが俺のクラスに来ることはほとんどないからびっくりして肩を揺らす。でもそれ以上に驚いたのはさんがリボーンを抱いていたことだった。
「リ、リボーン!!なんでさんと一緒にいるんだよ?!」
そう言えば朝からいなかったっけ?どこいったんだろうとは思ったけどまさか彼女の所だったなんて…。
「あ、ちょっとお話しただけだよ……えっと、…っ」
さんがあわてたように弁解するけどなんだか変だ。顔が、赤くなってる。
「どうかした?さん…。」
「え、あ、ううん!!大丈夫だよ!!!!…つ、つ、綱吉君!!」
最後の言葉を聞いた数秒後、今度は俺の顔が真赤になった。




顔が真赤に染まるのを感じながら思い切って名前を呼ぶとしばらくして綱吉君の顔も真赤になった。
「え…何で名前…?」
「ご、ごめんね、やっぱ嫌だよね!!」
「あ、そうじゃないんだ!全然いいよ!!…お、俺も名前で呼んでいいかな?」
沢田君の顔は焦っていたけどでもどこか嬉しそうだったから。ほっとした。恥ずかしかったけど、言ってよかった…。
「うん!!」
リボーン君の言ったとおりだった。







『そうか。なら名前で呼んでやれ。顔を真っ赤にして喜ぶぞ。』












優しい魔法が解けるまで
(沢田君の笑顔の裏を私はまだ知らなかった。)





















彼女が去った後、俺とリボーンの二人になった。
、いい女じゃねぇか。」
「…うん。」
「ずっと一緒にいたいんだろ?」
「……そうだけど。」
「だったらいつかは言わなきゃいけねぇんだぞ。お前のこと。」
「……分かってるよ。」








分かってる。俺はボンゴレ十代目――――マフィアなんだっていつか言わなきゃいけない。



だけどもしそれを言ってしまったら。
は怖がって逃げていくと思うんだ。

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視点がぐちゃぐちゃで読みにくいですね;ごめんなさい。
折り返し地点です。

ここまで読んで下さりありがとうございました。

2009.1.6