「こんにちはぴょん!」
「……こんにちは。」
「いらっしゃい。…骸は?」
いつもの時間通りやって来た彼らを部屋の中へ入れると一人足りないことに気がついた。
「…骸さんは用事を終わらせてから。」
「そうそう。だからちょっと遅れるって言ってらぜ。」
「ふーん」
珍しい。彼が遅れることはあんまりないのに。
「…寂しい?」
「…へ?何言ってんの千種。」
「実は寂しがり屋らもんねー!心配しなくてもすぐ来るって言ってたびょん!」
「いや、私何も言ってないから。」
そりゃ寂しくないなんて言ったらうそになるかもしれないけど。
だけど
「…どっちかって言うと骸の方が寂しがり屋でしょ。」
ポツリと呟いたのにちゃんと二人には聞こえていたみたいできょとんとした顔でこちらを見た。
「何言ってるぴょん。骸さんはどっちかって言うと一人でいる感じらぜ?」
「でもこうして毎日家にご飯食べにくるし、すぐ抱きついてくるし…。」
「…それは限定。」
「柿ピーの言う通りらぴょん。骸さんにゾッコンらから仕方ないぴょん。」
そういうものなのか…。
だけどこうして犬と千種といるのもやっぱり寂しいからだと思うんだけど。とはいっても本人に聞くことなんてできないししようとも思わないけど。
「てかはなんれ骸さんと付き合ってんの?」
「…何、いきなり。」
「……気になる。」
「なんなのよ今日は…。」
「らって骸さんほど愛が感じられないんらぴょん!」
「…。」
それは単に骸が愛情表現しすぎているだけど思うけど…。というかさっきから何気に犬がクサイ発言をするのをどうにかしてほしい。
えっと、なんだっけ。骸と付き合ってる理由?そんなの…
「そんなの、好きだからじゃない?」
他に何があるの?私は自分が大切に思ってもいない人と付き合って生きて行くほど優しい人間なんかじゃない。
そのことはこの二人も知っているはずなのにおかしなこと聞いてくるなあ。
「じゃあもっと愛情表現してみたらどうぴょん。たまに骸さんが不憫ら。」
「愛情表現…ねぇ…。」
私なりにしてるつもりなんだけどな。例えば
『、一緒に散歩でも行きませんか?』
『暑いから嫌だ。』
『じゃあ一緒にお茶でもしませんか?いい紅茶があるんです。』
『…仕方ないなぁ。お湯沸かすからコップの準備して。』
『分かりました!!』
…ほら、ちゃんと愛情表現してるよ。
普段の私だったらすべて一蹴している。うん、やっぱりちゃんとした愛情表現じゃない。
「…分かりにくすぎなんらぴょん…。」
「む…。分かったよ。やればいいんでしょ。」
ここまで責められるならやってやろうじゃないか。
私は一人笑みを浮かべた。
「お邪魔しますよ、。」
骸がドアを開けて部屋に入っていきた瞬間、私はこれ以上にないほど笑みを浮かべた。
「いらっしゃい骸!待ちくたびれたよ。」
「はい…?」
「ほらご飯できてるよ。骸のために一生懸命作ったんだから!」
「…どうかしたんですか?」
「え、いつも通りだよ。いつも通り骸のこと大好きだよ。」
「…ね、熱でもあるのでは…。」
慌てたように私のおでこに手を当てる骸。
なんだか馬鹿らしくなってきて私は犬に視線を向けた。
「…これでいいかしら。」
「やりすぎびょん…」
「…どういうことですか?」
「犬がもっと愛情表現しろって言うから。」
「愛情表現?…何言ってるんですか犬。」
「?」
「はいつもしてくれてるじゃありませんか。」
その眼は本気だった。
「うん、私もそう思う。そして骸はしすぎだと思う。」
「への愛は抑えられないくらいですから。」
「……あっそ。」
「クフフフフ。」
(この二人いろんな意味でバカップルらびょん…)
噂をすればクフフフフ
(僕がいない間そんな話をしてたんですか、余程寂しかったんですね、)(自意識過剰…。)
+++++++++++++++++
クールなヒロインを目指したらただの冷徹な人になってしまいました;
最初はちゃんとお題通りだったのにだんだん離れて行ってしまったのがちょっと心残り…。
あと犬の口調がさっぱり分かりませんでした。
どういう法則なんだ…!!
ここまで読んで下さりありがとうございました。
2009.3.2